こんばんは。
薬剤師として働いている中で、私もヒヤリ・ハットを経験することがあります。それは、自分の犯したミスであり、自戒を込めるべき内容であると感じています。
ただ、投薬ミスは、患者に対するリスクが、医行為以上にリスクがあるものという認識を持っています。
なぜかというと、薬は医行為とは異なり、身体内側に影響を及ぼす力があります。それが、疾患を改善するならよしですが、今回の件のように、命に関わる事もあるからです。
今回は、薬剤師として、今回の取り違えが起きた要因について、詳細に推察していきたい。
考察1 ボスミンとホリゾンとあるように頭文字に『ホ』がつく。
まず、ボスミンについて。
ボスミンは、強心薬といい、簡単に言えば、心臓をどついて🫀動かすためのもの。
かたや、ホリゾンについて。
ホリゾンは、鎮静薬といい、簡単に言えば、精神的にゆったりさせて、安静にさせるもの。
同じ頭文字であるホがついた医薬品が、隣同士かまたは、近くに置いてあって、急いで取りに行き、確認を怠った可能性があります。
考察2 手術室や救急処置室のカート内が整理されていなかった
今回は、手術室で起きましたが、救急処置室でも起きかねない話でもありました。
手術室にあるカート内や救急処置室にあるカート内の整理がされていなかった可能性があるとも考えられます。
整理されていたとしても、近い場所に置かれていた場合、取り違えの要因を作ることになります。
私は、以前、薬学部の実務実習での病院で、カートの薬品管理を経験しました。
その時に、強心薬同士で固められ、鎮静薬同士で固められているのを見て、それぞれの薬の作用毎に置かれた方が、見やすいなと感じました。
考察3 投薬ミスの根本的原因
薬剤師が、むちゃくちゃしっかり整理していたとしても、看護師がきちんと投薬しようとしていたとしても、投薬ミスは、やはり起こります。その根本的原因は、医師にあると感じています。もちろん、薬剤師や看護師が確認した上でというのは、前提条件ですが、医師が、きちんと看護師の確認に対する声かけにきちんと対応しているでしょうか?
医師も忙しいのはわかります。しかし、今の現場、しかも手術中の場合は、医療機器の音などがあり、聞こえにくい状況もあります。ただ、その状況に甘んじて、確認の声かけに適切に対応しなかったとすれば、医師の指示ミスの可能性は否定できません。
手術に注意を払っているんだから…それは、医師の言い訳ではないかと思います。
以上の考察から考えなければならないこと
考察を詳細にチェックしましたが、いかがでしょうか。医薬品の取り違えは、現場では、緊急事という極限状況で起これば、大惨事を起こす可能性があります。医師が指示を出したのなら、確認の声かけに必ず反応すべきであるはずです。ただ、投薬ミスの場合、薬剤師の管理義務違反、看護師にも責任が出てくるため、より一層の確認の重要性はあがります。となると、現場の人間全てに責任が降りかかってきます。
このような取り違えを防ぐためには、何ができるでしょう?皆さんも、是非考えてみてください。