薬剤師Rasの考え

薬剤師として感じたことを書いています!

皆で考えたいシリーズ第五弾 腸閉塞

こんばんは。

以前、前の記事で、患者さんに対する処置を通してのことを書いたのですが、原因が腸閉塞であり、壊死しかけている部分があり、手の施しようがないとのことでした。

他院搬送後に判明したこととはいえ、残念でなりません。

ただ、一つ言えるのは、この腸閉塞がなぜ起きるのかということをしっかり見つめ直す必要があります。

今回の件から派生して、いかに腸閉塞を予防するかを考えてみたいと思います。

腸閉塞になりやすいリスク

1 寝たきり

まず、今回の場合には、廃用性障害を敢えて除きます。

腸閉塞になりやすいリスクの代表格として、私は寝たきりを挙げたいと考えています。

なぜかというと、寝たきりは、疾患により身体の機能が低下した状態が、長期的に続いているという事だからです。

普通の暮らしをしていた人が、一時的に廃用性障害になるも、離床が進み、寝たきりにならないのに対し、寝たきりになる人は、脳に重度の障害が残ってしまったなど、離床が望めない人が、大半です。

そうなるとどうなるかですか、便意を感じても、意識障害により意思の疎通がとれません。

そのため、発見が遅れ、糞便性の腸閉塞が起こる可能性が高いのだと言えます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/71/9/71_9_2326/_pdf

こちらは、今回の同様の症例であり、まだ壊死の可能性が低い人でした。

ただ、こちらも、寝たきりの高齢者による症例である事から、注視すべき症例だと考えます。

2 運動不足

腸閉塞が起きる要因に、便秘があります。

便秘は、腸管の動きが悪ければ確実に起こります。毎日、私が日々、階段の昇降をしているかですが、それは、確実に運動不足の解消のために行っています。

便秘が要因になる腸閉塞だが…腸内細菌が便秘を誘発している⁉️

実は、この論文、便秘関連で調査をしていましたすると、以下の論文が見つかりました。

https://www.marianna-u.ac.jp/houjin/news/20230131_01/01.pdf

聖マリアンナ医科大と富山大学が連携しての研究だったようですが、結果に驚きました。

f:id:yakuzaishi012:20240416222503j:image

こちらになります。

クラブシエラ菌や大腸菌、そして腸球菌から分泌される未知物質により、大腸内皮のTRPV4を増やし、結腸の感受性を落としていることが、わかりました。

明らかに、図表に現れているとおり、事実がわかりました。

腸内細菌叢や腸内環境が、疾患との相関性に強く結びついているという事がわかります。

終わりに

前回の記事で、搬送された患者さんは、腸閉塞により搬送から2日後に亡くなられました。

ただ、今回の事項は、この記事に派生した事で気をつけるべき部分が山ほど出てきました。

腸内細菌叢や腸内環境が、便秘や下痢を引き起こしていることなども含め、より一層、重要性の認識を高めていく必要があると感じました。

以上です。

医療に真剣に向き合うということ

こんばんは。

今日は、少し、勤務後に少し問題が発生したことがあり、その事を通して、医療に真剣に向き合う事の意味を考えてみたいです。

勤務時間外に起きた緊急事案

5時過ぎて、帰宅の後、私は、自身のしないといけない事の関係で外出していました。

その後、帰宅した時に、母である局長が、部屋で悩んでいるのを見かけました。

聞いてみると、病棟の患者さんが、腹痛を訴えていると。痛みが強く我慢の域を超えているとのこと。

夜勤の看護師も困り顔になっているのが、容易に目に浮かんできました。

その時に話に出てきたのが、ソセゴンでした。

ソセゴンがない。痛みが引かないまま亡くなりでもしたら…

ただ、以前持ち合わせていたソセゴンも、患者の層が変わり不要になり、在庫切れを起こしていました。

ただ、我慢の域を超えた腹痛が、たかだかNSAIDsで止まるとは考えられません。

このままでは、痛みが引かないまま亡くなりでもしたら…と二人してネガティブなことを考えていました。

そうこうしていても埒が明かないため、局長が病院へ。

私は、🏠に残されたので、調査を続けていました。

ブスコパンの注射💉があったからなんとかなった…

ソセゴンがなく、やばいってなっていましたが、無事、ブスコパンがありましたので、なんとかなりました。明日、患者さんの様子など、夜勤明けの看護師さんにお願いして聞いてみようと思います。

今回の件を見て、聞いて、感じてみて思ったこと。

高齢者医療における負担軽減を目指したい、しかも、未病で、ブログまで書いている私としては、この痛みに我慢させることがいいとは思いません。

やはり、高齢者医療であっても、必要な医療はあります。

ただ、何が必要かをきちんと精査することなくなんでも、かんでも、医療に放り込むというのは、おかしいと考えます。

ただ、その考えは、医療に真剣に向き合う人なら必ず通る道であると思います。

だからこそ、自分がどうやって、医療と向き合っているのかをみることを向き合う事が大事だと思います。

薬学部の現実と今後歩むべき道筋について

こんにちわ!

ここ最近、Twitterで見たんですが、姫路独協大学が薬学部の募集を停止したそうです。

今後は、一つ薬学部がない状況での大学受験が一般化する模様ですね。

今回の報道を見て感じたのは、薬学部自体が、単なる薬剤師養成所になってしまい、薬剤師の需要と供給のバランスが崩れる要因を作り出したのだということです。

これから、薬学部の価値を高めることと、薬剤師の価値を高めることの二つが大切なことだという事になります。

これから書いていく事は、その二つがいかに大事かを知る機会になると思います。

薬剤師養成する意味と価値について

まず、なぜ薬学部の募集停止をしなければならなくなったか?その根本的理由に、薬剤師養成する意味と価値を見出せない人たちの増加が関係しています。

薬剤師として、やりがいを感じられることが、昔ほどでなくなり、国民が薬剤師の存在に、邪魔を感じている事なども、要因の一つだと思います。

薬剤師が資格の上でできる権限の規制や、役割や存在意義を無にする動きが、医師会からあります。

そういう様々な情勢から、薬剤師になっても、自由に出来ないと感じる学生が感じ、薬学部を志望しなくなるのは、自然なことかと思います。

だからこそ、単なる薬剤師を輩出するだけの薬学部はいらないと思います。

今後は、資格上の権限を活かせる、医療だけではなく生活や健康、社会的に貢献できる薬剤師を、どう作り出すか?そこに意識を向けた、薬学教育をしてほしいです。

これが、薬学部の価値を高めることにつながると思います。

薬剤師の価値を高めるために

現代の薬学部自体、カリキュラムが十分に、改訂されたとは、まだまだ言えません。

医学部や薬学部、歯学部などの医療系学部が、いよいよ迎えることになる2025年問題。

この問題がなぜ取り沙汰されるか、そこの根本的な部分はどこにあるでしょうか?

それは、日本の高齢者世帯の増大と死亡率の増大だけではなく、寝たきりになる高齢者の数が、これまで以上に増える可能性があるということ。

そして、これまで以上に、医療費の増大が問題になることによる負担の増大です。

それらをなくすまたは減らす努力が必要であることは明白な事実です。

よって、これまで以上に、薬剤師が資格上の権限を活用できる環境にしていく努力が必要になるだろうし、未病薬学や未病医学の推進に力を入れていく事ができる存在になるべきです。

よって、薬剤師の価値をあげることは、ひいては薬学部の価値を高めることに繋がります。

これから募集をされる薬学部の皆様、一度でいいから、薬剤師の養成そのものを、一から考え直してみてほしいです。

以上です。

 

皆で考えたいシリーズ第四弾 腸内環境と肥満

こんにちわ。

ここ最近思うことがあり、しばらくブログから離れていました。

今回皆さんと考えたいのは、私自身が万病の元だと考えている腸内環境の悪化、それに伴い起こりうる肥満について書いていきたい。

腸内環境が悪い=肥満の可能性

まず、腸内環境と肥満の関係性について冷静に考えてみたい。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/104/4/104_703/_pdf

こちらに、腸内環境と肥満の相関性についての記事のリンクをつけました。

こちらの記事には、かなり重大なポイントが隠れていました。

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腸内環境の様態は、個人差があるため、腸内細菌叢が良くない場合、肥満が悪化する可能性が高くなると言う事が事実としてある。

私には、この部分には驚きました。が、重大なポイントであると感じ、やる気が湧いてきました!

なぜ、痩せる人は何を食べても痩せるのか?

ずーっと不思議だったんですが、痩せる体質の人って、常に痩せていますよね?何を食べても痩せる、太らない人の腸内環境ってどうなっているのか?見ていきましょう。

まず、痩せる体質の人の腸内に多く存在していた腸内細菌について。

この細菌属性は、バクテロイデス属である。

日和見細菌であるが、善玉菌と仲が良いため、腸内環境ではいい菌として存在しています。

ただ、何もしていないのに、この属性の細菌が増える事はありません。なぜかと言うと、この細菌は、日和見細菌だから。

善玉菌と悪玉菌のどちらが、優位になれば、簡単に乗り換えてしまう奴らです。

善玉菌優位に腸内環境を作るしかないんですよ。では、どうしたらいいのでしょう?

バクテロイデス属の細菌が含まれる食べもの。

この日和見細菌を働かせるには、あくまで、善玉菌が優位な腸内環境を整えることが、重要だと思います。

では、どう言う食べものがいいのでしょうか?

実は、肉食です。

もちろん、肉ばかり食べてはいけません。あくまで、腸内環境を作ることを忘れずに、必ず、食物繊維を取ることが必要です。

実は、多くの健康的な人の腸内には、バクテロイデス属と、ファーミキューテス属が大半を占めていることがわかっています。

だからこそ、ファーミキューテスを減らして、バクテロイデス属を増やすことが大事なんですよね。

なんやかんや書いていきましたが、痩せる体質は、腸内環境にある日和見細菌にポイントがあると言う事が判明したという事を、皆様に広くお伝えし、健康的な生活を過ごして行きたい!と思います。では‼️

皆で考えたいシリーズ第三弾 麻疹風疹

こんばんは。

ここ最近、麻疹や風疹の罹患が問題にされたり、麻疹、風疹の罹患後に、10年後に難病を発症することがあるということが報道されていました。

日本独自の土着株は消滅したとはいえ、海外由来の麻疹、風疹ウイルスが問題になることは普通にあります。

今回の記事では、麻疹、風疹にならないために注意すべき部分を書いていきます。

麻疹風疹にならないために、ワクチン💉を打つべき。

日本独自の土着株が無くなった事は喜ばしいものの、世界的な根絶はなされていない。

天然痘が根絶され、なぜ、麻疹や風疹が根絶されていないのかは置いておくが、世界では、日本の認識とは乖離していると認識すべきだろう。

麻疹風疹ウイルスは、感染性が高いので、ならない努力をしても、なってしまう事が普通にある。という事は、妊婦🤰が罹患したら、胎児に悪影響を及ぼしかねない。

先天性風疹症候群はかなり怖いため、妊婦になる前に必ず抗体を持つことは重要である。

幼少期に麻疹風疹に罹患したことがある人で、亜急性硬化性全脳炎発症は割合は?

そもそもなぞに感じないだろうか?

仮に幼少期に麻疹風疹に罹患したことがある人であれば、一度は聞いたことがある難病である亜急性硬化性全脳炎というものがある。

これを発症する人の割合を、幼少期に麻疹風疹に罹患した事がある人のうちどれぐらいだろうか?を考えて見てほしい。

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)(指定難病24) – 難病情報センター

こちらに記載があるが、特に学童で発症が多いことが知られている。

ただ、そこだけではなく、注意すべき内容が、ここである。

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通常の麻疹風疹の罹患でも、発症するリスクはあるかもしれない。が、一歳未満の場合だと、免疫機能が低下している状態でその危険性は高くなる。

確かに、幼少期の麻疹や風疹の罹患はかなりリスクは高い。ただ、軽度で済む割合がほとんどであるし、残念ながら遺伝的に免疫機能の発達が弱い場合、充分な免疫を持てずに、亜急性硬化性全脳炎になる可能性が高まると考えられます。

移行抗体が減少するのが、生後六ヶ月以降であるが、一歳以上になれば、免疫機能が働き、その時にワクチンを打ってしまえば、麻疹や風疹の可能性を軽減できると考える。

今は、充分な抗体を持っているのが、当たり前。

私自身の時は、ワクチンは一回のみであり、大学時代に、打っただけ。

今は、充分な抗体を持っているのがほぼ当たり前な問題であり、そのおかげで、難病のリスクが激減した。

免疫機能は、個人差があることがわかっている。そのため、残念ながら、遺伝的に弱い場合は尚更ワクチンを打つことが重要である。

妊婦になる前に、ワクチン打っていることが、大事である。

もちろん、幼少期に罹患して自然免疫を獲得している人もいる可能性もいるはずなので、そういう場合で無ければ、ワクチン打って対応するしかないと思います。

もちろん、終生免疫を持ち、元気にしている方もいますが、油断はすべきではない。

以上です。

皆で考えたいシリーズ第二弾 発達障害

こんにちわ。

皆で考えたいシリーズ第二弾として、今医療関係者の方々でも、当事者がおられるであろう、発達障害について考えていきたいと思います。

発達障害の当事者はどういう現状で働いているか?

まず、医療関係者で、発達障害の当事者は、自ら声をあげていない人も含め、かなりいる事が考えられます。

ただ、発達障害の当事者たちは、周りからは、奇異の目に晒されていることを知ってほしい。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/advpub/0/advpub_20211106169/_pdf/-char/ja

こちらの資料をまず読んで頂き、考えてほしい。

その他、看がルーのサイトで、発達障害を公表した看護学生に対して、かなり厳しい意見が、散見されます。

当事者の声も、きちんと出ています。

看護師であり発達障害の当事者として、私が伝えたいことはひとつ。|沖田✕華さんインタビュー【前編】 | 看護roo![カンゴルー]

医療関係者は健常者以外お荷物という考えがあるのは事実。

私自身も、自分がその可能性があるのかも、と感じた事や、実際に当事者たちが感じることは、現場における圧力だと思います。

医療関係者の多くは、健常者が大半を示しており、その人たちが、現場を仕切っていると考えてもおかしくないわけです。

その人たちの多くは、医療関係者は、健常者以外お荷物と考えていると言っても過言ではない訳です。

なので、発達障害の当事者のように、苦しんだ経験がないので、本質的に発達障害を理解するのは、難しいのです。

残念ですが、外見から見ることが難しいので、正常者でなければ、お荷物と認識されてしまう実情があると言う事は、知っておくべき部分だと思います。

発達障害の当事者を、いかに理解できるか?

健常者は、定型発達をしているので、発達障害の当事者みたいに、発達の凸凹を本質的に理解することは難しい😓と思います。

ただ、発達障害の当事者が、何を困っているのかを、理解することは、簡単だと思います。

まず、職場において、当事者の社員に、自分の実情を教えてもらい、そこに心に寄せられることがまず大事だと思います。

医療関係者であれば、患者さんに危険にならないように、立ち振る舞いや、自分の不得手な部分を周りに助けてもらうことも考える必要があります。

自分の工夫も、当事者なりにあるだろうし、必要ですが、本人たちがどれだけ頑張っても、無理な部分はあります。

そこを、荷物と取るか?不得手な部分であり、フォローする部分と取るかで、仕事のしやすさが違ってきます。

その意識を、発達障害の当事者だけではなく、職場の皆さんも意識してやってほしいです。その意識が、職場全体の意識に慣れれば、いいな!

これで以上です。

 

皆で考えたいシリーズ第一弾 性嗜好障害

こんばんは。

未病の立場で、どうしても考えたいことをシリーズ化して勉強📚していきたいことを書いていくシリーズを今日から書いていきたいと思います。

今日は、その第一弾として、性嗜好障害について書いていきたいと思います。

性嗜好障害は本人が一番苦しい

これまで、小児性愛障害を起こしているであろう方たちが、小児に対する事件を起こしてきました。

中には異なる人もいるとは思いますが、みんながみんな、小児性愛障害に理解があるわけではありません。

それは、性嗜好障害を障害とは見ずに、頭がおかしい、異常者という認識を持っているから。

それは、あまりにも残虐な断絶の仕方ではないですか?以前、たかまつななチャンネルに出演した方がいました。

その方が言われている言葉にこういう内容がありました。

『自分は、このまま行くと、小児性愛により、事件を起こしてしまうかもしれない、そう思うと怖くなって、精神科を受診した。』

性嗜好障害が、立派な障害だという認識をまず私たちは身につけ無ければならないと考えます。

精神科医学領域における『性嗜好障害』の立ち位置

私自身、精神科医学の領域で、小児性愛障害がどういう立ち位置なのか知りたかったので、調べてみました。

すると、ちょうど良い論文が見つかりました。

https://www.ohishi-clinic.or.jp/wp-content/uploads/2023/04/kokoro-2018.pdf

こちらは、実際に、千単位の依存症の患者さんを見てきた医師が執筆をされているものです。

この医師の言われている中でなるほどと感じたのは、二つでした。

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治療上の問題点と、先生が考えているのは、本人達が無事に治療が完遂され、再発していないか、そして、きちんと最後まで通院しているか?という部分を踏まえて考えるべきとあります。心理面や精神面含め、社会的に健康な状態で、正常な意識を持った人として求められているという現状をよく把握しなければいけないという事が、性嗜好障害を患っている人が自身の異常さにまず気づかないとだめだということになります。

治療で行われていること

認知行動療法内観療法、薬物治療までは、見たことや聞いたことありますが、条件反射制御法は知らなかったです。

まずは、内面を可視化することができるのが、内観療法ですし、行動認知や薬物治療まで、しっかりやることをやっているという認識でした。

ただ、それだけでは、社会的には不足しています。就職支援や、裁判支援まで行っているという事が、かなり大切なんです。

社会的に自分が異常だと認識できても、外に出れなければ、また同じ事になりうる怖さがあります。

そうならないために、患者が社会復帰するその日を夢見て支援しているという事であれば、私はもの凄く嬉しい。

依存症を持つのは、誰にでも起こる話だから。そうなった場合、いかに自分が正常に近づけるか、依存を断ち切れるかが試されてきます。

その時に、心の拠り所があるのとないのとでは違ってきます。

と考えて、こういう治療を受けることを、私は賛成しています。

以上で、性嗜好障害について終わります。