薬剤師Rasの考え

薬剤師として感じたことを書いています!

薬剤師が見たワクチン接種の意義

こんばんは。

GW中の休みを満喫しながら、様々な意見を見てため息しかでていません、Rasです。

ようやく5月8日に、新型コロナウイルス感染症は、従来の二類から五類感染症に移行します。

世界的発症、パンデミックから早くも三年たち、いよいよ日常を取り戻す動きが出てきました。

ただその反面、ワクチン接種による副反応で、亡くなる人がいたという事はわかっています。

今回の記事は、薬剤師であるRasが、ワクチン接種における心筋炎の現実と、新型コロナウイルス感染症に伴う心筋炎発生を比較しながら、ワクチン接種の意義を考えていく事を目標にしています。

ワクチン接種による心筋炎発生率

まず、ワクチン接種による心筋炎発生についてどの程度のレベルのものかをみたいと思います。

ワクチン接種による心筋炎の発生率は、0.001〜2%ということから、発生することすら稀ですし、可能性としてはかなり低いという扱いになります。

しかしながら、今回使われているmRNAワクチンの心筋炎の発生は以前から報告されており、注視すべきことだとされています。

12~20歳のmRNAコロナワクチン接種後の心筋炎をメタ解析、男性が9割|医師向け医療ニュースはケアネット

こちらは、若年層のワクチン接種後の心筋炎発症後の転帰についてを記事に書いています。

メタ解析と系統的レビューの結果は、以下の通り。

ワクチン接種後の心筋炎発生率は男性のほうが女性よりも高く、15.6%の患者に左室収縮障害があったが、重度の左室収縮障害(LVEF<35%)は1.3%にとどまり、若年者のワクチン関連心筋炎の早期転帰がおおむね良好であることが明らかとなった。

あくまで、20歳までの若年層を対象にしているため、その後の三十代以降は異なるかもしれませんが、概ね、男性>女性とあるように、発症確率は明らかに男性が高いです。

という事は、男性でワクチン接種後における心筋炎の発症確率が高く、それに伴う死亡率も高い可能性があるということも考えなければならないといえます。

心筋炎の悪化を引き起こす、生活習慣について

残念ながら、心筋炎は診断が難しいとされています。たくさんの鑑別をあげなければならないわけではなく、病理診断をした上でないと、断言が難しい事が要因になっています。

ただ、この心筋炎の悪化を引き起こす可能性がある生活習慣をされていた場合、死亡する確率が段違いに上がる事は自明の事実です。

では、心筋炎の悪化を引き起こす可能性のある生活習慣とは?

まず、喫煙やアルコールの摂取でしょうか。

三十代以降は、生活習慣病になりやすい時期に入っていきます。喫煙やアルコールの摂取など、若い頃よりも負担になることも増えていきます。

それだけではなく、血管の炎症も知らないうちに引き起こしています。

特に、糖尿病や高血圧では、血管や心筋に傷がついたり高い圧力がかかる事で、血管壁が厚くなります。

そういう状態でも、体内の症状が見えないために、健康体だとされるのは致し方なしなわけです。しかしながら、残念ですが、すでに身体の中はボロボロになっているということがあげられます。

その状況で、ワクチン接種や新型コロナウイルス感染症になったとして、心筋炎を悪化しないと言えるのでしょうか?

まず、その認識を理解し、生活習慣を改善することからはじめてほしい。

まるで、亡くなった人に責任があるみたいな発言だが…

まず、亡くなった人には責任はない。

これははっきりしておきたい。しかしながら、亡くなる可能性があるような状況を作り出した責任は、例え亡くなった人であってもある。

じゃあ、亡くなった人に責任があるんじゃ?って思う人がいるかもしれませんが、そうではないのです。

私がいいたいのは、男性も女性も、きちんとした生活習慣やその改善をしなければ、血管や心筋を傷つけてしまい、それによるウイルスの侵入を引き起こし、心筋炎の発生や悪化を起こすことになります。亡くなる可能性を自分たちの生活習慣を改善し、回避するというのは、当たり前なことかと思うんです。

ただ、単純に、亡くなったんだ!国は、死亡例を認めろ!と叫ぶだけでは意味はないわけです。それをいうのなら、まず、亡くなった人の既往歴であったり、体内の状況など、くまなく調べて、対応を協議する必要があります。その認識を持たないまま、責任を持たないまま発言をしないでください。

ワクチン接種の意義について

ワクチン接種の意義について、遅くなりましたが書いていきたいと思います。

そもそも、ワクチン接種による心筋炎や新型コロナウイルス感染症の心筋炎発生率は、かなり異なります。

これは、ワクチン接種をしたことにより、抗体が生成され、ウイルスが体内に入り込んでくる可能性を減らすことができました。

それにより、血管や心筋に至るまで傷害された部分に入り込んでくるウイルスを減らせたことで、心筋炎の発生と、悪化を減らせたわけです。

こういう実情を理解したなら、決してワクチン接種を悪だとはいえないはず。

ということは、新型コロナウイルス感染症で亡くなる人を減らせることに繋がった訳です。

そういう実情を踏まえると、自分はワクチン接種には、一定の意義があったと考えています。