薬剤師Rasの考え

薬剤師として感じたことを書いています!

妊娠期間と薬の使われ方〜薬剤師の立場から〜

こんばんは。

今回は、いつも懇意にして頂いてます、研修医の先生のツイートを引用して、薬剤師として書いていきたい。

記事を書く経緯

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こちらのツイートを目に通した時、大変驚いたしまいました。それは、産婦人科医や小児科医が経験しているはずの『妊娠期間の薬問題』に対して、きちんと理解されていないことに、衝撃を受けました。

もちろん、妊娠期間の初期での薬の服用は、遠慮する必要がありますが、臓器を含め、全体的に分化が進めば、粗方、ある程度のリスクは少なくなりますし、薬の使用もそこまで気にする必要がなくなります。

ただ、そうは言っても、ベネフィットがリスクを上回る場合のみ、使用してもいいという文書記載もあるため、なかなか難しい話だなと考えています。

今回は、このツイートを踏まえて、抗アレルギー薬を飲んでいく上での注意を考えていきたい。

ヒスタミン薬の服用期間について

まず、妊娠期間中の抗ヒスタミン薬の服用についてです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/63/5/63_KJ00009327661/_pdf

こちらちょうど、妊娠期間と抗ヒスタミン薬の服用期間について取り上げられていましたので、共有させて頂きます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/63/1/63_KJ00009262701/_pdf

また、違う論文でも、取り上げられています。

どちらとも、妊娠期間中においては、添付文書で記載されている『有益性投与』に適用すると書かれているだけではなく、実際に使われている抗ヒスタミン薬の紹介されています。

特記すべきは、噴霧器になって、局所作用である薬の使用が推奨されています。

それは、全身作用による妊娠期間内における催奇形性を回避するためです。

どれくらいの薬物が回避すべきとされているかは、以下の図を見ると明らかでしょう。

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これだけではありませんが、妊娠期間中は、何があるかはわかりません。

アレルギー性鼻炎を患っている先生ほど、ご自身で投薬されようとする方が多い印象です。

後、治療においては、耳鼻科に直接お聞きすることが、必要であります。

医療関係者の皆様への警告

産婦人科や小児科に受診をされている医師の皆様へ。

皆さんは、特に、妊娠期間中であり、その関係で、産婦人科や小児科を受診して、アレルギー性鼻炎の治療をされようとしています。

しかしながら、産婦人科や小児科においては、実際、先生方の考え方から、処方をしないという既定路線をいかれておられるのだと思います。

なぜかというと、妊娠期間中の方に対しては、『有益性投与』という言葉でしか言われておらず、添付文書上では、悲しいですが、妊娠期間中の臨床試験は一切されていないため、投与後のリスクまでを言い切る事が難しいのが実情です。しかし、だからといって、出せる薬はないと断言するのは、筋違いというもの。

専門外だから、耳鼻科で相談して…とか、薬剤師に聞く…など、やりようはたくさんあります。

知識がないなら、知識を得る努力をしてください。有益性投与だからしなくてよい、ではありません。医師が自身の専門性を極めるのは、必要ですが、専門外にまで、めを向ける努力をしてください!

以上になります。

なぜ、やる気ある医療機関ばかりではないのか?

おはようございます。

私の病院実習先だった倉敷スイートホスピタル。この病院は、門前薬局とかなり薬薬連携したり、前々回の記事にも書きましたが、在宅療養支援病院としても、日々忙しく対応しています。

指定医療機関も取り、訪問看護ステーションや老人介護施設ともグループであり、医療法人和香会として、地域密着型の医療機関として、毎日頑張っておられます。

このように、日々在宅療養支援病院としての義務や責任を果たしている、頑張っている病院が全国的に広がるためには、…と感じています。

ですが、そういう医療機関ばかりではないと、感じる事があります。

民間病院だからこその視点がある

医療法人和香会の理事長である江澤和彦さんは、自身の信条として、『尊厳の保証』を掲げています。

医療の現場で休みなく働き、現場でとことん、患者さんと向き合っておられ、親御さんの急逝に伴い、現職につかれたそうです。

そこで、介護や福祉、リハビリや栄養にいたる医療、介護、福祉に至るまでオールラウンドで勉強をされ、数々の気づきを得たとあります。

そこを原点に、自身が、施設を設計し、その意識は、介護用品にも及びます。

患者さんに対して、必要であると感じることなら、既成概念に囚われる事なくやりきる。

その視点が、あるからこそ、地域からの尊敬や信頼を勝ち得ているんだなと感じました。

患者目線での施設つくりができている

介護サービスや訪問看護ステーション、サービス全般の案内事業部など、全部が施設に詰め込まれた医療機関というのは、全国的には珍しいと思います。

病院を中心に様々な事業所が、それぞれで存在することは、本当の意味で、患者やその家族がどこに行けばわからない。右往左往する事態になります。

それでは、本当の意味で、患者目線に立った、施設つくりになっていません。

医療と介護、福祉と途切れない連携の重要性

やる気のある医療機関の例として、倉敷スイートホスピタルをあげました。

全国的に人気になる病院や診療所は、医療と介護、福祉といった繋がりから、医療と介護、福祉を通した途切れない連携と患者や家族に対する支援にも活用しています。

医師だからといってマウントを取っていることは、在宅医療におけるチーム医療が成り立たないことになり、医療機関だけに留まらずその他の医療関係者との距離をつくる事になりやすくなります。

そうなりたくないのなら、それをしないために考えましょう。

 

ニプロへの業務改善命令から見える事

こんばんわ。

いや、なんというか…。沢井、日医工、小林化工、と相次いだ後発医薬品の製造販売元による不祥事。これで最後だと思っていた矢先、ニプロへの業務改善命令。

後発医薬品が軒並み品薄になって、医薬品の製造が、供給過多により、さらに品薄な状態に晒されています。

今回の記事は、後発医薬品の製造販売元がなぜこれだけ不祥事を起こしているのか、今後、安心して医薬品を使用できるようになるのか?など、私自身の視点を交え、記載していきたい。

後発医薬品の製造販売元の不祥事が連続する理由。

不祥事相次いだ製薬業界 不当収益に「課徴金」は抑止力となるか | AnswersNews

こちらの記事に記載されているのは、後発医薬品の製造販売元が、様々な方法で、国や地方自治体を欺いていた事、全ての医薬品の製造販売元がやっているじゃないかと見られるようになったのが、一番の要因であると考えます。

もちろん、ここに挙げた医薬品の製造販売元の全てが、国や地方自治体の査察をすり抜けるような方法で、汚いやり方で欺いていたわけではないと思います。

しかしながら、従来の性善説による査察を逆手に取った悪質な対応、組織ぐるみの犯行、隠蔽がまかり通る事が、さらに拍車がかかると、かなり怖い状況になります。

そういう思惑から、抜き打ちの査察を全体的に指示しているからこそ、このようにたくさんの不祥事が明らかになっていると推察されます。

医薬品の製造販売元としての存在意義を問う。

今回の業務改善命令にしても、そうですが、私達、薬を使う者たちの多くは、必ず薬機法を遵守した工程や試験を行い、質の担保が保たれた状態で、医薬品を製造、または販売する事が、求められています。

そのため、適切な製造販売または販売、または製造がなされているかを査察することと、企業側の自主的なチェックを課していたという経緯がありました。

しかしながら、この自主的なチェックが曲者であると言う事に気づけなかったのが一番の要因であります。

ですが、今回だけではなく、過去にも同様な経緯で摘発または、行政処分をくらい、企業が潰れてしまう事案がたくさんありました。

なぜ、これだけ問題になるのに、繰り返されてしまうのでしょう?

薬剤師や薬の関係者の素質を問う

私達、薬剤師は、薬を安定して供給するために、管理や調整に目を配り、日々忙しく働いています。

医薬品卸や製造業者、その他の企業においても気持ちは変わらず、患者第一主義に徹しています。

ならば、なぜ、これだけの不祥事が繰り返して起こるのか?

もはや、薬剤師や薬の関係者の素質を問はないといけない事態にきていると感じます。

この事態をどれくらいの人が、重く受け止めているでしょうか?

そこを私自身は、問いかけていきたいと思います。安全と安心を持たせる事ができないなら、薬を調剤すべきではないと思います。

一つの記事から、たくさんの情報や考えられる真相が出てきました。皆さんも、しっかり考えることをしてみていただきたい!

SGLT阻害薬のリスクと副作用を起こす機序

こんばんは。

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今回たかぴすさんのリツイートしているツイートで、医師国家試験予備校のMECの渡先生が、問題を出されていたので、問いてみました。

答えは、2番目。

では、この薬のリスクや副作用を起こす機序について考えてみましょう。

SGLT阻害薬の機序 尿糖排泄

まず、この薬がどこで作用するか、ご存知でしょうか?

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腎臓の腎細胞に含まれたチャネルのことで、正式名称は、ナトリウム-グルコース共輸送体といいます。ナトリウムとグルコースを交換していることは、医療関係者ならご存知のはず。

普段なら、ナトリウムだけが、排泄されるはずが、グルコースも排泄対象になり、排泄されるため、普段よりも、たくさんの糖が、尿に出ていきます。

尿糖が出ることの何が悪い?

尿糖が出ること。

糖は、確かに水溶性の物質でありますが、たくさん排泄される場合、尿中の糖濃度は、かなり高くなります。

尿糖が出るという事は、その分、体内からたくさんの水分が出ていきます。たくさんの水分で薄めないと、排泄できない。

だがしかし。

体内から大量の水を奪っているわけですから、脱水症状を起こします。

脱水症状を起こすだけに留まらないのが、このSGLT阻害薬の怖いところなんです。

SGLT阻害薬と脳卒中の関連性

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/57/11/57_843/_pdf/-char/ja

こちらは、日本での症例一発目ですが、コントロール不良の糖尿病患者の治療に、SGLT阻害薬を使用したところ、脳梗塞を起こしましたという報告した論文です。

実際、記載がありますが、海外でも同様の理由で、糖尿病患者に使用したところ脳卒中を起こしたことが報告されています。

https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/recommendation_SGLT2.pdf

こちらのガイドラインにも、脱水や脳卒中の関連性を強く感じさせる記載があります。

このように、記載がされている時点で、SGLT阻害薬のリスクがかなり重く認識されてきているといえるのではないかと考えます。

まとめ

いかがでしたか?

1薬品を深く理解し、考えていかなければ、今後の現場での対応がうまくいかないかもしれません。

ただ単に試験を受けるのではなく、今後自分ならどう向き合っていくかを、さらに練っていくための練習と思い、頑張ってください!

以上です。

医療関係者であるということ

おはようございます。

まず、朝イチで問うのは、かなり重いと思いますが、お聞きします。

医療関係者の方々には、かなり重いですが、

『私たちの存在意義とはなんでしょうか』

この質問には、なかなか答えるのが難しいと思います。

それは、自分たちの仕事のあり方であったり、自分たちが患者さんや周りの医療関係者との関係性が良好か不良かにより、異なってきます。

だからこそ、周りからの評価など、客観的な見られ方にも影響されるため、自分の立ち位置を深く考えれば、考えるほど、答えるのは難しいと思います。

今回は、私自身が考える『医療関係者であるということ』について、一切の忖度なく記していけたらと思います。

活動の幅をいかに広げていくか?

医療関係者の多くは、医療現場への就職をかなり希望しており、就職もほとんど医療機関(病院や診療所、薬局)です。

その一方で、医療の現場以外に踏み出し、自身の専門性や知識を利用し、活動の幅を広げている医療関係者も多数おられます。

例を挙げると、大学院に進学し、現場の知見だけではなく、高い専門性を身につけ、現場への還元を考えていたり、食品衛生の知識を活かし、食品メーカーへの就職であったり、自分の資格を他の分野に繋げて、働いている方もいます。

私自身も、そういう意味で、医療以外への就職を考えていた時もありました。

しかし、医療現場での就職でなければ、患者との距離が長くなるというデメリットを感じていたため、私は、あくまで、医療現場に拘りました。

とはいえ、限られた範囲であっても、自分の外部への活動の幅を広げていく努力をすることは、医療現場にいても必要なポテンシャルであると感じています。

患者の健康に寄与できている?

今はかなりコロナの威力が収まり、静かになっていますが、未だに救急車🚑の出動数や、1日あたりの死亡数が変わらないのはなぜだと思いますか?

中には、救急車🚑すらも呼べない、躊躇う方もいますよね?それは、なぜか、考えたことありますか?

実際、薬剤師の場合や医師の場合だと、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師など、この制度を利用して日々の生活、健康に役立てている人がいる一方で、その制度そのものを利用できていない方がいるのも、事実です。

表面上だけみれば、制度の普及は確かに進んでいると見ることはできます。

ただ、その中で、医療関係者との接点すらない、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師そのものもない方の存在を、皆さんはどう考えるでしょうか?

そう考えた時、本当に、患者や住民の健康に寄与できているのか?それを踏まえて、どうしたら制度の根本的な普及につながるのかを、それぞれ考えて頂きたい。

そう感じています。

このブログでは、現場における問題点など、独自の視点から記載しています。

同様の視点を持ち、私の考えと同じ人がおられたら、ぜひコメントを残して頂くか、記事の拡散をお願いします。

エホバの証人 『輸血拒否は虐待』薬剤師の所見

こんばんは。

今日の夕方の報道で、エホバの証人『子の輸血拒否は虐待』と弁護団が、厚生省に陳情を出されたみたいです。

エホバの証人の輸血拒否、児童虐待で弁護士らが厚労省に通報へ : 読売新聞

ただ、エホバの証人は今回に限らず、昔にも、輸血拒否事件を起こしている経緯があります。

その時の判例が、こちらになります。

裁判例結果詳細 | 裁判所 - Courts in Japan

今回の記事では、医療現場側の意見と、なぜエホバの証人が信者に対して輸血拒否の指導をしているのかを考えていきたい。

エホバの証人の輸血拒否はなぜ?

まず、エホバの証人の輸血拒否事件の場合、信者の子供の輸血を親が拒否し、なくなりました。ただ、輸血をしなければ助からない命だと説明されたとして、それを信者が受け入れるかは、不明であります。

そもそも、エホバの証人の聖書には、『血を食べてはいけない』という一文があります。

それが、輸血に直結していると考えられます。

大量出血の場合、人は、生きれる?

交通事故などで単純に軽い衝突という場合であれば、意識がある事も考えられますが、跳ねられたとなれば、話は違います。

実際、跳ねられた場合、時速40キロと時速60キロでエネルギー差が歴然であり、この差から、いかに衝撃が強くなるかの差につながります。

頭を強くうち、出血が大量の場合ですが、人間は、1L以上が無くなれば、命に関わります。

ということは、早急に輸血をしなければ助からないという事は、考えればわかります。

では、なぜ、輸血拒否を指導するのか?

上に載せたサイトにある動画を見て頂きたいのですが、幹部しか入れない教団内のサイトにある文章に、きちんと記載されていました。

『血の誤用から子供を守る』

そんな内部文書📄記載されていました。

聖書に記載されている事は、絶対条件で守ることを強要している事が明らかになったと考えます。

そのように内部文書で記載しているのに、教団側は、自分たちは、一切の強要はしていないと嘘を言われていました。

医療現場の立場は、どうすべきか?

輸血拒否をする患者さんは、宗教に関わらず、一定数は存在すると思います。が、やはり、輸血しか助かる手立てがない中で、その命がなくなるのを待てるか?と私は問いたいです。

今の医療には、自己輸血というやり方が可能ではありますが、高い技術と修練が必要になります。うまくいかない可能性もあります。

その時に、どう説明するのかを、医療現場側で考えるようにしたいです。