薬剤師Rasの考え

薬剤師として感じたことを書いています!

SGLT阻害薬のリスクと副作用を起こす機序

こんばんは。

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今回たかぴすさんのリツイートしているツイートで、医師国家試験予備校のMECの渡先生が、問題を出されていたので、問いてみました。

答えは、2番目。

では、この薬のリスクや副作用を起こす機序について考えてみましょう。

SGLT阻害薬の機序 尿糖排泄

まず、この薬がどこで作用するか、ご存知でしょうか?

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腎臓の腎細胞に含まれたチャネルのことで、正式名称は、ナトリウム-グルコース共輸送体といいます。ナトリウムとグルコースを交換していることは、医療関係者ならご存知のはず。

普段なら、ナトリウムだけが、排泄されるはずが、グルコースも排泄対象になり、排泄されるため、普段よりも、たくさんの糖が、尿に出ていきます。

尿糖が出ることの何が悪い?

尿糖が出ること。

糖は、確かに水溶性の物質でありますが、たくさん排泄される場合、尿中の糖濃度は、かなり高くなります。

尿糖が出るという事は、その分、体内からたくさんの水分が出ていきます。たくさんの水分で薄めないと、排泄できない。

だがしかし。

体内から大量の水を奪っているわけですから、脱水症状を起こします。

脱水症状を起こすだけに留まらないのが、このSGLT阻害薬の怖いところなんです。

SGLT阻害薬と脳卒中の関連性

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/57/11/57_843/_pdf/-char/ja

こちらは、日本での症例一発目ですが、コントロール不良の糖尿病患者の治療に、SGLT阻害薬を使用したところ、脳梗塞を起こしましたという報告した論文です。

実際、記載がありますが、海外でも同様の理由で、糖尿病患者に使用したところ脳卒中を起こしたことが報告されています。

https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/recommendation_SGLT2.pdf

こちらのガイドラインにも、脱水や脳卒中の関連性を強く感じさせる記載があります。

このように、記載がされている時点で、SGLT阻害薬のリスクがかなり重く認識されてきているといえるのではないかと考えます。

まとめ

いかがでしたか?

1薬品を深く理解し、考えていかなければ、今後の現場での対応がうまくいかないかもしれません。

ただ単に試験を受けるのではなく、今後自分ならどう向き合っていくかを、さらに練っていくための練習と思い、頑張ってください!

以上です。