薬剤師Rasの考え

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うつ病と腸内環境の相関性について

こんばんは。

今日は、メンタル疾患でお馴染みのうつ病と腸内環境の相関性について、未病を念頭に書いていきたいと思います。

二年前の北大の研究報告

新着情報: 心理的ストレスが腸内細菌を攪乱する機序をはじめて解明~うつ病の脳腸相関を介した予防・治療法開発に期待~(先端生命科学研究院 准教授 中村公則,教授 綾部時芳)

こちらは、北大のサイトの一ページになります。私も、はじめて知りましたが、心理的ストレスが腸内環境を撹乱する機序を、解明したそうです。

世界初な気がしますが、内容については、以下に掲載されています。

https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/210511_pr.pdf

こちらに書いてあるポイントとしては、以下があるそうです。

f:id:yakuzaishi012:20231203233015j:image

北大サイトからの抜粋にはなりますが、重要性が高いものと、個人的に思うのは、二番手に記載されている、『精神的ストレスによる脳腸相関のメカニズムの解明』だと考えます。

なぜ、『精神的ストレスによる腸脳相関のメカニズムの解明』が重要なのか?

まず、みなさんは、以前言われていたコロナ禍でどれだけの人が自殺してしまったかを考えたことはあるでしょうか?

医療関係者の方々だけではなく、日本の製造業や食品関係の業界が軒並みやられたのは、記憶に新しいと思います。

それだけ、多くの経営者が、精神的なストレスをだき続けてきたという事を物語っています。

今回、未病を含めて考える記事にはなりますが、心理的ストレスにより腸内環境が撹乱された事実が判明し、撹乱される過程がわかったことで、うつ病などのメンタル疾患になる可能性を潰していくことができるようになる事が考えられます。

だからこそ、この事実や、腸内環境との相関性を知ることで、未病に近づけるはずです。

撹乱される過程について

腸内環境の撹乱される過程は、驚くべきことに腸管の粘液細胞からでるαディフェンシンの分泌が心理的ストレスにより低下し、腸内環境の腸内細菌叢のバランスを崩壊する方向に傾けていることが判明しました。

実際に、このαディフェンシンの分泌が低下すると、腸内自然免疫の機能も低下してしまう事が判明しました。

そもそも、αディフェンシンと言うのが、腸内環境下における自然免疫における重要な抗菌ペプチドであります。

この抗菌ペプチドには以下の役割があります。

菌の細胞膜に直接作用し、溶菌を促すこと。生体内の免疫バランスの調節

この役割があるからこそ、腸管内での細菌感染がかなり抑えられている現実があるということができ、自然免疫が無意識のまま、成立しているといえます。

しかしながら、この抗菌ペプチドの分泌が低下することにより、腸管内での自然免疫のバランスが崩壊するのは、明白です。

それが、心理的ストレスで起きていた。世界初の発見ですね。

この研究🧪が如何につながるかが気になる。

はい。今回の記事を書いてきましたが、いかがでしょうか。

論文の概要を書いた書類には、メンタル疾患の予防に繋がる大切な一歩とされていました。

もちろん、今回の事項が判明したとしても、大切なのは、どういう対処をすれば、心理的ストレスにより腸内環境を破壊せずに済むかであるという認識が重要です。

まさに、未病につながる大切な報告になりました。また、他の記事でお会いしましょう‼️