今回の記事を書くにあたり、一言断りを入れさせてください。
今回、問題になっている黒田医師の件については、この場では一切触れません。
今回の記事を書くことにしたのは、未病における解剖学的研究の重要性を理解した上で、ここから先も、未病との強い繋がりのもと、研究の発展が進む事を願っています。
未病と病理解剖との相関1
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed1982/44/4/44_4_575/_pdf/-char/ja
まず、未病を語る上で忘れてならないのは、あくまで中医学が根底にある考えだという事。
この論文は、西洋医学と東洋医学の接点を考える上で病理解剖での相関性を調査した内容になっています。
この論文では、脳疾患を例にとり、いかに東洋医学と西洋医学での相関性があるかを副病変を交えた上で記載がされているため、ターゲット🎯が明らかで見やすいと、私は評価しています。
実際に、論文の内容から見えてきた事実について記載したい。
ちなみに、この調査で利用されたデータは、全て川崎医科大学に帰属するものである。
剖検遺体の92例から取られたものである。
こちらが、論文から抜粋した結果です。
注意書きにあるように、同じアルファベットがついたものは、有意差はない。が、違うアルファベットがついたものは有意差がある。
結果にあるのは、1群と6群では同じアルファベッドがついているため、有意差がない。
ただ、3群から後は、全く異なるアルファベッドがついているため、有意差がある。
という話になります。
実際のところ、西洋医学とかなり類似性があるため、かなり相関性が高いという事が、わかる。
未病と病理解剖の相関2
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed1982/45/4/45_4_941/_pdf/-char/ja
こちらも、未病と病理解剖の相関性を調査したものになっています。
こちらは、剖検遺体114例から副病変を目印に記載がされています。
結果や結論を見ていると、副病変と中医学の相関性がしっかりしており、西洋医学の機能形態とかなり類似性が高いか、ほぼ同等であると言う事ができる。
だからこそ、中医学または漢方で舌診を重視するのだと言うことがわかる。
二つの論文から見えること
もちろん、この論文二つだけからは、見えないところも多いため、より深い調査をしていきたいと思うほど、内容は興味深いものでした。
ただ一方で、これだけ病態解剖学の重要性が高まったのは明らかに、西洋医学と東洋医学の繋がりを意識した将来的な関係性をより深めること、そしてその上で、未病の元になっている中医学をより深く理解することの大切さと、いかに西洋医学との類似性が高いかを踏まえた、さらなる進化をするためには必要だと思います。
未病の時点で既に症状が、身体の深部にある可能性があることを今回の論文は、物語っていると感じました。
いろいろ書いて行きましたが、終わります。