薬剤師Rasの考え

薬剤師として感じたことを書いています!

虫垂炎と腸内細菌叢の相関性について

こんばんは。

皆さんに、今回は興味深い論文を紹介していきたいとと思っています。

KAKEN — 研究課題をさがす | 大腸癌の前癌状態と考えられる急性虫垂炎の予防法開発のための基礎的研究 (KAKENHI-PROJECT-20K08941)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsps/58/3/58_573/_pdf

の二つを主に紹介例として挙げました。

急性虫垂炎は、大腸癌の前癌状態

この事実を知らなかった人にこそ、わかってほしい部分。なぜなら、急性虫垂炎は、薬で散らすことができるが、完治を望む場合、切除一択でした。

しかし、虫垂が持つ免疫能力について報告があり、切除したとしても、癌に移行するリスクは減らないという実情があることがわかりました。

急性虫垂炎の発症をいかに抑えるか?

今回、二つの論文にも書いてありますが、腸内細菌叢の中でも、炎症を悪化させるもしくは、炎症を起こす細菌と、腸内環境を良くする細菌二つの存在があります。

一つ目の細菌は、発酵食品に含まれている細菌で、ラクノスピラ科細菌です。

二つ目の細菌は、炎症を引き起こすことがわかっているフゾバクテリウム科細菌です。

虫垂炎を起こした患者さんの多くは、このフゾバクテリウム科細菌を虫垂内に含まれている糞石にかなり含んでおり、炎症を簡単に起こさせてしまっていたことが判明しました。

しかも、この細菌は、元は口腔内にいた細菌だったことが明らかになっています。

無論、口から食べものが経由して、消化器官に至るわけですが、その時に、口腔内細菌でしかも、悪玉菌とされる細菌が腸内にいたという事、糞石に多く存在していたという事から、腸内細菌叢のバランスが崩壊していた可能性が高く、その場合、悪玉菌と言われる細菌が覇権を握っていますから、腸内自体も炎症を起こしやすいわけです。

そりゃ、虫垂炎になりますよね。

と長く話してきましたが、この腸内細菌叢のバランスを戻し、善玉菌を多く存在させる必要があります。

そのために、発酵食品や、乳製品を摂ることが大事です。善玉菌のご飯になるオリゴ糖の摂取も重要です!とにかく、腸内細菌叢の悪玉菌の割合を減らし、腸内の炎症発生リスクを減らす必要がありますため、ぜひとも、取り入れて頂きたい。

それだけではなく、口腔内にも善玉菌を増やす努力が必要だと思います。

詳しいことを知りたい人は、コメントまでどうぞ!

それでは。