薬剤師Rasの考え

薬剤師として感じたことを書いています!

在宅医療と慢性期医療の繋がり

こんばんは。

慢性期医療の医療機関をしている病院の薬剤師として働いて見て感じることがたくさんあり、その中で、今の在宅医療の限界と、慢性期医療機関への入院への繋がりについて、私なりの所見を書いて行こうと思います。

在宅医療の質に疑問を感じて、入院した方が多数

私の病院では、今日も入院希望の方が入ってきました。いろんな意味で、それぞれ葛藤を経て、入院を希望された家族ばかりです。

院長である父が、必ず事前面談を行うのですが、近隣の医療機関(病院、個人診療所など)から在宅なり、入院していたという背景があります。

しかしながら、在宅医療の質があまりにも担保されないことへの憤りなどから、私のところに入院を希望される方がいるのも、現実です。

入院希望があるのは、私達にとっては、ありがたい反面、在宅医療そのものへの疑問に繋がり、矛盾しているなと感じることが多くなりました。

在宅医療と慢性期医療機関への繋がり

医療療養型病床を持つ病院が、徐々になくなりつつある現代の日本。

急性期医療機関での在院日数を減らすために、回復期、慢性期医療機関への転院、もしくは強制的な退院など、日々緊急性が高い疾患を持つ患者を多く取り扱っているが故の危機感など、考えられる理由があります。

しかしながら、急性期医療機関と回復期、慢性期医療機関との連携があまりにも、繋がっていないということも問題になっています。地域医療連携室がきちんと機動していない証拠ではないでしょうか?

在宅医療から慢性期医療への移行は、かなりしっかりやっていく必要があると認識しています。

なぜかというと、

  1. 在宅医療の質の担保がきちんとなっていない医療機関がある事
  2. 在宅療養支援病院の届出をしているのに、夜間診療に応じていない医療機関があり、患者や家族の不安が解決されていない事
  3. 在宅療養の現実をきちんと認識して考えている医療機関が少なく、緊急時に対応が、うまくいかない可能性がある事

国は、確かに政策では、地域包括ケアシステムの構築で、在宅療養にも支援の輪を広げていこうと考えているみたいです。

が、在宅療養支援病院の届出をしていながら、夜間診療に応じなかったり、再々診察に来られなかったりと、本当の意味で、安心できる在宅医療を提供できているのかと感じるようになりました。

届出を出している以上は、医療機関としての責任を負っているという意識を持ち、対応して欲しいと、現場で働く者として感じています。

在宅医療の質の担保をいかに保証するか?倉敷スイートホスピタルの場合

私が、病院実習でお世話になった病院で、倉敷市中庄にあるのが、倉敷スイートホスピタルでしょうか。川崎医科大学の方なら、ご存知の方もいるかな?

こちらの病院では、指定医療機関として、これらの指定を頂いています。

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こちらが、病院が持つ指定医療機関の証拠ですが、指定短期入院協力病院、指定障害福祉サービス短期入所施設と、聞き馴染みのないものを指定医療機関として届出を出しています。

介護や福祉に関わる以上、障害者や高齢者に対する配慮ある医療機関でなければなりません。在宅医療は、出来るだけ介護保険で賄う事を推奨されている以上、介護や福祉に医療機関が、精通していなければ、相談にすら乗れません。

それだけの考えがあるかは、不明ですが、こういう指定医療機関を持つだけで、社会的ニーズにマッチしているとわかります。

在宅医療に精通するには、まず、介護や福祉に精通するのが、最優先。そのあとに、いろいろ考えることが必要であると考えます。

法人の理事長である江澤和彦氏は、こちらの記事で、以下のように答えています。

D's Mind 江澤 和彦|医師転職・募集のDtoDコンシェルジュ

私は、地域包括ケアシステムの本質は、住民が主体となる地域づくり、街づくりだと考えています。社会保険制度である医療保険介護保険による『共助』、行政の福祉施策の『公助』だけで支えるには限界があるとの認識が共有されつつある現在、病気にならないよう健康づくりに取り組む『自助』、高齢者の社会参加や地域住民のボランティア活動の『互助』が欠かせなくなっているのです。そんな考え方、価値観が要諦となる街づくりにおいては、かかりつけ医や地域の医療機関が、もっともっと自ら参加していき、社会貢献を果たすことが大いに期待されています。

このような認識を持たずして、単純に、在宅療養支援病院として、手を挙げ、届出ることが、どれだけ恥ずかしい事か、再度考えることを、近隣の医療機関はしなければならないでしょう。

在宅医療を提供する以上、責任を持ちやる気ある医療機関にしていただきたい

在宅医療と慢性期医療機関との繋がりを通して、様々な視点で記載してきましたが、あくまで在宅医療は、地域との信頼関係の上で成り立つものであり、求められる質を担保できる事が、在宅療養支援病院又は支援診療所には、求められています。それを認識して、責任を持ってやる気ある医療機関に在宅医療はしていただきたい。そう思ってぃます。

上記に書いた倉敷スイートホスピタルのように、介護や福祉に早い段階から精通し、地域との信頼関係が出来上がっているところと、そうでないところの違いは何か?

そこにも目を向けていてほしいと感じました。

以上です。